裏庭の掃き溜め
ふもと 鈴

もうつかわない
世界、暗闇、夜、感動、飛躍、論理、あいまい
大きなことなんて、裏庭でなんの役にたたなくって
少しだけはがれた壁さえも、哀切を極めている

大きなことは、一体
何を伝えたくて、
どこにあって、
沈んでいくのか

沈むのならいっそ、
自分自身であるのが適当で、
水の中では、みんな歪む

あまりに大きすぎると、中身は何なのか、
よくわからないという

結局のところ
苦情は、キリキリと積み上げられて、
信じられないほど痛い

(水の中では、屈折と浄化)

もうつかってはならない
涙、と、それとあれに

裏庭のしめった土はいつまでも水分を失わず
みんな一緒に歪めている
日の当たらないことを、恨んで
さらに、ぐんと歪んでいく

壁に殴り書き、しに来る誰か
待っているのも、歪んだせいで、
自分の拡散を食い止められずにいる

クリーム色のはがれた壁が
土と一緒になっている
重ね、重ねられ、
今度も歪むと、睨んでいる

裏庭には、誰か、来ることもあって
来ないこともあって
歪んでいるから、それさえも
よくわからない




自由詩 裏庭の掃き溜め Copyright ふもと 鈴 2008-10-01 21:38:44
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