道別
練
告げようとした道順はほどけてしまって
あとはただ来た道を
捨てられた花のにおう坂
そのぬるい泣き姿を
思い出すことだけが残された
嘘なんかつかない
嘘さえもつけない
あのとき、という言葉のよそおいを
今ここにいない人が剥ぎ取る
そうして道ばたはありありと黒ずみ
捨てられた花の骸骨は
錆びた針金、そんなふうに泣くから
たどり着けぬまま
汚ないだけの別れになる
自由詩
道別
Copyright
練
2008-09-28 03:38:12
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