わたしとあなたのせかいがつながればいいのに
夕凪ここあ

眠る前に
くちびるの形だけで
あなたのなまえ
を呟いてみたら
ほろほろと
星が生まれてく

夜は
思ったよりも深くて
あしたの方向で
あなたのなまえの星が揺れてる
不器用にしか進めなくて
呼吸の浅いところで
すこしだけ泣いた

わたしとあなた
けっしてふたりになれなくて
またあしたがくるまえに
いつまでも
へいこうせんがひかれてく

ひとつずつ
あなたのなまえの星が生まれて
わたしの夜は
こんなにあかるいのに
あなたの星のぬくもりは
さよならによく似ている

せめて
ほんのすこしの
ゆうきをだして
こえにできたなら
どんなにいいだろう

あなたのなまえ

掠れてどこまでも落ちていく

さよならは
いやだ

次の朝が呼びに来る前に
ふたりのおはようがあるような
ちいさなやくそくを交わしたら
まどろみを知らないふりをして

わたしとあなたのせかいがつながればいいのに



自由詩 わたしとあなたのせかいがつながればいいのに Copyright 夕凪ここあ 2008-09-25 16:35:57
notebook Home 戻る