創書日和「夜」 金魚
北野つづみ

まぶたが無いので
眠っているのかどうかわからない
閉じたカーテン 夜のやみのなか
ポンプの音だけが部屋に低く響いている
水槽の底には赤い金魚が三匹
(いや 実際は一匹は赤くて あとの二匹は金色で)
寄り添って でも
水草を布団にして横になったりしないから
眠っているかどうかわからない
もしかしたら
瞬きしない丸い目で暗闇を見つめ続けている?
眼を逸らさず まっすぐ まっすぐ

2008.9.22





自由詩 創書日和「夜」 金魚 Copyright 北野つづみ 2008-09-22 23:06:34
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