サンドペーパー
モリマサ公

いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指の隙間から逃げて
あたしたちはそれでも空と呼びます
見上げて
見上げて
いつものことで
てゆーか
グライダー


紙飛行機
芝生

鳴き声
鳴き声
鳴き声
空っぽのペットボトルを放り投げて受け止め
超空っぽなボディーの中にするビートをやめない
息を吐く限界まで
息を吸う限界まで
柔らかい輪郭
毛穴の呼吸
限界
日々がとんがってる
地図を閉じて
怖いという現象のなかの
見えないたくさんのまぶたの音がひらく
軸がぶれない絶対にぶれない
シャトルがゆっくりと反転し
よだれが重力に従いながら吸い込まれていく
地面に
地面に音も無く吸い込まれていきます
各都市に浮かぶ水たまり血だまり
世界を横切り沁みだす電波
祈り
子供たちの骨がのびていく
アクセル
てゆーかエンプティーランプ
ピース
ジャングルジムのてっぺんで叫ぶ
ペイデイ
ウィンドウズを立ち上げ
ジャンクションで合流し
グラスホッパーが飛び交い
シャドウボクシングをやめない
絶対に傷つけないために
ずっと抱きしめて
抱きしめてるのにきがつかないままの姿勢で
コーナーを曲がり
枝から葉っぱが全部落ちて
それを踏みながら横切って歩いて
人々がティッシュペーパーみたく柔らかい
ノンフィクションな
穿たれたいくつものクレーターが残像として痛み
湿った壁にシミが浮かび上がり
俺たちは地上の夜という無数のくぼみに指を突っ込み
硬いガラスの言葉を覚えて
サンドペーパーを舐めて
ざらざらな新しい言葉を覚えて
ぎざぎざの新しい言葉を覚えて
正しいセリフを吐きながら
こなごなに砕けて
砕けながら
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指の隙間から逃げて
あたしたちはそれでも
新しい言葉を覚えて
新しい名前で呼ばれて
新しい名前で呼ばれる


自由詩 サンドペーパー Copyright モリマサ公 2008-09-14 21:06:14
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