ささぐ
かんな

捧ぐというような
意味ではなく
夕べからのほんのりとした思考
秋だなあ
などと思う午後の真ん中

自転車の補助輪
外れたね
ひとりでも乗れる帰り道
足にかかる草
払いのけてはすすむ
こんにちはと
さようなら
のくりかえし

歩くたびにすりへる靴
の結びひも
簡単にほどけては
結びなおす手の爪の
先が欠けては
さみしさが
こぼれ落ちていくように
ささくれる

育てた木の芽
からのびた木の幹は
大きく背丈を
こえてはのびて
届かない木の実を
小鳥がついばむのを見てる
ひとり
縁側でお茶を飲む
あなたみたい

捧ぐなんて大そうな
意味なんてないですが
秋かもねえ
などと呟いて
いてくだされば嬉しい日


自由詩 ささぐ Copyright かんな 2008-09-04 19:50:05
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