世界のしくみ
A-29

を知りたくて、いくつかの文章を読んでいる。

一つは柄谷行人の「『世界共和国へ』に関するノート」で、これは太田出版の季刊誌at[あっと]に連載中のものである。

もう一つも同じ誌上に連載中の『ポスト・リオリエント』というもので、著者の山下範久はA.G. フランクの『リオリエント』の翻訳者であるという。(この連載は『リオリエント』を読んだ上で読むべきものだろうが、僕にその余力は無い。)

ところで、自分なりに「世界のしくみ」を理解しようとすると、ある時期に欧州で台頭した大資本家による政治経済へのその後の介入をどうしても無視できない。

http://www.anti-rothschild.net/aboutus.html

こうしたサイトに代表されるような主張のことである。

鵜呑みにするわけではないが、一定の説得力を感じてしまうのも事実だ。

そうしたところ、最近、フリーの国際情勢解説者、田中宇氏が同様のことを論じたものを読んだ。

覇権の起源
http://tanakanews.com/080814hegemon.htm

覇権の起源(2)ユダヤ・ネットワーク
http://tanakanews.com/080829hegemon.htm

覇権の起源(3)ロシアと英米
http://tanakanews.com/080903russia.htm

がそれである。

 イギリスが均衡戦略によって欧州の覇権国になれたことは、諜報と金融の国際的な「ネットワーク」を使って、イギリスが欧州大陸諸国の政治を外から操作できたことを意味する。イギリスに限らず「ネットワーク」を使いこなす勢力は、諸国の政治を操り、世界を間接支配できることになる。このような「ネットワーク」の存在を前提に考え直すと、国際政治は、常識的に考察されているものとは全く別の特徴を帯びる。まっとうな議論から排除されてきた陰謀論を視野に入れざるを得なくなる。(「覇権の起源(2)ユダヤ・ネットワーク」田中宇)

僕も同感だ。「正史」では説明のできない世界史のダイナミズムを理解するためにはこうした視点も考慮すべきでなのではないか。


散文(批評随筆小説等) 世界のしくみ Copyright A-29 2008-09-03 23:36:44
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