僕は、しょうがない
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ふざけて
うたたねしている君の乳首を食べようとすると
目を覚まして しょうがない子ね という顔をする君は、
君は、すこし悲しそうなので僕は、
僕はとても見つめていられなくなる
めいっぱいの力を込めてまるめても
空気を押し戻そうとしてるティッシュ
みたいな
よわよわしいんだかたくましいんだか
よくわからない力を振り絞って
君を抱く
馬鹿みたいに君の匂いを嗅ぐ
部屋中に満ちる泣きそうな予感の中、ちっとも泣かないまんま
鼻をこすりつけている
夢中で
君の肩や髪の毛の中
おどろいた君が思わず僕の手を握るけど
今日の天気や日にち
好きとか愛とかそういうことばのなにもかも
僕はせっかく忘れている
君のことももうずっと前から本当は忘れている
そのくせ鼻の穴の中の鼻毛がくすぐったくって
そんなことはちゃんと気になっている
君が僕の鼻をつまんで しょうがない子ね という顔をするので
泣きそうな、予感