おかえりなさい
猫のひたい撫でるたま子

しんとしている

冬の朝のように

言葉をなくす季節が終わって

私はすとんと椅子に座った

大声だとか、聞きたくない言葉だとか

他人の声からは遠くなって

静かな場所へ向かう

本当に一人ぼっちの独り言は

誰にも聞こえることがなくて

もう誰のためでもない言葉をささやく

やっと私にまた会えた


自由詩 おかえりなさい Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2008-08-26 07:48:38
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