雨の景色
小川 葉

 
この雨の
景色を覚えてる

父に手をひかれ
玄関の
扉をあけた

その時
降りはじめた雨を
あれから僕は
ずっと
見てる気がする


僕の手の中にある
小さな手

瞬きしてる
小さな目に
あの日と同じ
父と見た
雨の景色がうつってる

屋根を鳴らす音
土を濡らす
あの匂い

覚えてる
景色は
静止したまま
瞬きひとつしなくても

時が
流れていたことを
 


自由詩 雨の景色 Copyright 小川 葉 2008-08-19 22:04:02
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