夕立ち待ち
秋也

部屋で音楽がゆっくり流れて
外で雷が鳴って
曲の切れ目に窓が光る
合図
音楽の方はシンバルで
私はどちらなんだろう
音楽も雷もどこか遠まわし
クーラのきいた部屋で
屋根と優しい音に守られながら
濡れずに過ごすのか
傘もささず
夕立ちの中を
アレを求めて
稲光に耳を傾けながら
ひたすら走っていくのか
夏の切れ目
夕立ちが止むころ
猫が餌をもとめて鳴きはじめ
私がうとうとし始めたら
扉が開き
音楽が止む
バイオリンの長く繊細な音がぶつりと
笑顔だ
笑顔
大好きなんだから




自由詩 夕立ち待ち Copyright 秋也 2008-08-18 21:56:23
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