夏空に咲く花火
知恵

ヒューーと花火の玉が上がる音が聞こえ、
パァッと大輪の花が咲く

花が大きく咲いたその瞬間、人々の歓声があがり、
少し遅れてドーンっと音が響く

夏の夜空の風物詩


人々は花火が大きく開いたその瞬間に感動し、
花火の写真を懸命に撮る人々も、
その瞬間を狙う

だけど、私は、花火が咲いたその瞬間よりも、その後の、
チリヂリっと小さな音を残し、消えていく、その瞬間が好きだ

夏の夜空に鮮やかな演出を一瞬のうちに残し、切なさを残すあの瞬間

それは、一人の人に情熱を燃やし、お互いに想い合った時を経て、
大好きだったその人が去っていく後姿を見つめているようだった

花火が夜空に描く、大きな恋模様

今年の夏も私に切なさを残し去っていく


自由詩 夏空に咲く花火 Copyright 知恵 2008-08-17 18:34:52
notebook Home 戻る  過去 未来