街のひかり、朝
笹子ゆら
この平穏な街で
確かにわたしは存在しているのに
なぜだか存在していないかのような
そんな予感がしてしまっていて
ぼんやりとひかるその太陽に
化かされてしまえばいいのにと
ふと、おもう
深呼吸をしてみた
ランドセルを背負って走るこどもたち
世間話にいそしむお母様方
バス停で携帯をいじりながら待つ高校生
急ぎ足で駅に向かうサラリーマン
……朝の空気にゆるりと溶け込んで
横断歩道の信号がちかちかと点滅する、赤だ
自由詩
街のひかり、朝
Copyright
笹子ゆら
2008-08-14 00:41:06
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