夢を見ないで眠りたい
松本 卓也

室内灯の明りを落とし
明日の為にと目を閉じて
今週は何を片付けようかと
算段を繰り返している

かつては夢を見ない夜が嫌いだった
意識が途切れてから数秒後には
当たり前の朝を迎えていたから

昨日見た夢で僕は誰かを罵倒していた
一昨日見た夢ではデスクに突っ伏して
表に根拠で装飾された数字を書いていた

凡愚が見る夢は何時だって
現実から離れられないままで
ただ疲れを癒すための
小休止でしか在りえない

会社に入る前までは
根拠など要らなかったのに
会社に入る前までは
夢が嫌いではなかったのに



自由詩 夢を見ないで眠りたい Copyright 松本 卓也 2008-08-11 00:49:48
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