演算ロボット
あおば

             080811




4次元のポケットに石を詰めて
軽く振ってみる

4次元ポケットに石を詰めて軽く振っていたら
猫型のロボットが目を覚まし
頭の構造を簡単に教えてくれた
よく覚えておこうとしたら
これは秘密だから覚えることは出来ない
ただ 実感したとの微かな記憶だけは残せます
残すのも残さないのもどちらも同じようなことなので
何れも同じだけの時間が掛かりますと
禅問答のような猫の気配がした
猫型であることと
カピパラの生態系と同居するジャイアントパンダの
不足する頭数を補うように作られたクローンの固体が
4次元の
ポケットを
ぼけっと眺めていたら
ぼこっと顔を殴られた
猫パンチだから
痛くないので
目を開けると感じられたことも忘れてしまうと
大きな口を開けたまま声を立てずに息を飲む
4次元の世界は模型のように整然としていて
入力があると出力する小さなICのように
微熱を発したまま
音を立てることもなく
休むことなく
演算を繰り返す



自由詩 演算ロボット Copyright あおば 2008-08-11 00:46:39
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