繰越される今日
ブライアン

湿った手の平がうっとうしかった
道には熱が漂っている
怠けた歩行者たち
通りすぎる自動車
吐き出される熱が見えるようだった

赤くなる空
血を吐く空の結末は
誰もが知っている毎日
繰り返されてばかりいた

携帯電話が光る
母の不自然なメールが届いた
忘れることを強要するのだった

夏は忘れる
川のしぶきも
太陽の高さも
思い出すたびに嘘になる

吐き出される呼吸が見えるようだった
狂信を支持した視線は
漂い、涙ぐんでいた

湿ったままだ

道も 手の平も 今日でさえも


自由詩 繰越される今日 Copyright ブライアン 2008-08-06 00:33:52
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