EF55の復活
あおば

EF55の復活↓





 レールがあると列車が走る。 そんな気持ちにさせられます。工具店には金敷用にレールを10cm位に切ったものが売ってます。ローカル線でも使われなくなった 30Kg/m のものなどが使われていたりして、必要ないのに購入して部屋に置いとくと夜中にそこをロコが走る。そんなことはないけれど、想像の汽車は走ることが出来ます。そんなことが理解出来るあなたは鉄道ファンなのです。

 太平洋に面した房総半島の付け根の辺り、九十九里浜は雄大な砂浜と押し寄せる波、海水浴やサーフィンの名所です。そこに昔九十九里鉄道があったのをご存知でしょうか。現在のJR東金線東金駅から上総片貝に至る8.6Kmの軽便で、1926開業〜1961廃止の鉄道です。単端式の小型ガソリンカー(エンジンはフォードV8,38馬力)が3両の小型客車をつなぎ満員の海水浴客を乗せてガタゴトと浜まで往復していたものです。風の便りに廃止になったと聞いて久しくなりましたが、九十九里鉄道とやけに文字の目立つはでな観光バスを見かけると思い出したものです。





西武鉄道山口線

↓ 井笠鉄道から来たSLと客車


 都民のみずがめの一つである多摩湖畔の西部園遊園地のまわりを走るおとぎの電車で有名な3.6Kmの軽便鉄道です。開業は1950年開業、営業キロ数が長すぎると云うので運輸省の指導により1952年に地方鉄道免許取得。実質的には遊戯施設の遊覧鉄道なのですが、地方鉄道となったおかげで、時刻表にダイヤが載るやら、公道に踏切を設け車を一旦停止させるやら、客がいなくても走らねばならないやら、面倒くさいことになりました。また、鉄道マニアの対象にもなりました。半流線型の蓄電池式電気機関車が浮世離れした楽しい遊園地の雰囲気を出していたのですが、突然SLが走るようになりびっくり、子どもの国へ大人が乱入といった感じです。 というのは、SLとその客車は本物の軽便鉄道からやってきたからで、その浮世に疲れた姿は化粧直しをしても、隠しようが無く哀れでありました。マニアの義務として出かけましたが、皆にちやほやされる姿には涙無くして見られません。その昔、乗客・荷物を満載したミキストを引いたのが、老いて子ども相手の道化を演じている。それを喜びながら写真を撮る酷い大人たち。老いて修羅の巷を歩む時、思い出すは若き時の、登り勾配で懸命に後押してくれた井笠鉄道沿線住民の姿。人ならばそんな感慨に耽るかもしれません。 少しセンチになりました。最近は訪れ
てないので今はどうしておりますやら。
(1984.5.14に廃止になっておりました。1999.2.11)

お伽の電車


道化役










川越線

↓63走る川越線


 埼玉県の南側、東京寄りの田園地帯を横断している川越線。古代の由緒ありげな高麗川から商工業の中心地、大宮を結んでおります。少し前はジーゼルカーが走っておりましたが、とうとう電化され103系などが元気に走っております。では、なぜロクサン走るなのかというと、かまぼこ型通勤電車は乗車効率追及の戦時規格型のモハ63の直系ですから、近代的にはなってますが、葡萄色に塗れば誰もがロクサンと怪しまぬ風情です。川越線には、かなり遅くまで朝夕の通勤通学列車に、9600型SLのひく61系の7両が麦畑の中を、雑木林の脇を軽快に走っておりました。各停なのでバイクで追いかけて何度か撮影できるのですが、空いた道路を70Km/h位で飛ばさないと追いつけず、125ccの原付バイクではなかなか大変でした。では、もっと大型のバイクならとお思いでしょうが、撮影場所は、畑道端や林のはずれなので小形のバイクでないと駐車に手間取りかえって時間が掛かります。列車を追いかけての撮影は、予想外な危険が伴います。  2000.01.19

9600SLの牽く通勤列車













SE車頑張る


 小田急のSE車は軽量低重心の連接車体の完全な流線型特急用電車として生まれました。小田急線内では最高速度の挑戦が出来ないので、特甲線規格の東海道本線で行われ、145Km/hの記録を打ち立てたのは余りにも有名です。踏切事故防止のためオルゴールを鳴らして快走する姿はうっとりするように優美で軽やかなジョイントの音に新時代の到来を感じました。そして、こだま型特急電車、新幹線0型へと技術は受け継がれてゆきました。  2000.01.19










逆光の琴電


 金魚鉢の愛称で有名な京浜急行のデハ230型に所用の旅先で会いました。ロケハンどころか、いきなり現われビックリ仰天、生憎、光線は逆光でフィルムはコントラストの強いポジフィルム。葉隠れの術ならぬ幹隠れの術で直射光を遮りなんとか撮影出来ました。将に一瞬の出来事でした。
2000.01.19







名鉄の流電


 国電のモハ52型と良く似た面構え。赤い名鉄の流電はいまでも走っているのです。昭和10年代が走っています。







トロリーバス
 トロリーバスは鉄道の範疇に入るのですが、街路から姿を消して久しいので思い出になってしまいました。


横浜市営トロリーバス


 横浜市交通局のトロリーバスが廃止になると聞いて、マニアの常、慌てて駆けつけました。面構えとやや陰気な配色がマッチしてなんとなくマンモス電機EH10を連想する車体、最高速度は40Km/h、それでも加速が良いのでのろい感じはしません。普通のバスや車や電車のように速度が微妙に変わる ようなこともなく、ものすごく安定した走りに感激しました。例えると単気筒のバイクのように、路面の変化,風向などに速度が影響されず一定速度で走行するのです。 それでほんとに無くなるのが惜しい気がしました。市街電車と違い復活することもないような気がします。ハイブリッドのバスならいざしらず、架線が嫌われるでしょう。

東京都交通局


渋谷付近にて目白通り池袋方面に向かう







ケーブルカー

 
   十国峠


ケーブルカーも鉄道の範疇ですが、束縛された感じです。明るい配色と、いかにもスピード感のある面構えがそうさせるのです。





モノレール


 羽田線など乗るともっと普及しないのが不思議です。写真にとっても絵になるし、電車より自由度がありますし。写真は、千葉都市モノレールです。(1999.2.7)



旧作を掲載










散文(批評随筆小説等) EF55の復活 Copyright あおば 2008-08-04 15:42:06
notebook Home