無限地獄
星月冬灯


 おお!

 タルタロスよ

 永久地獄よ


 闇の闇

 冥界の奥の奥に

 存在する暗黒の狭間


 罪人たちが集まる都

 重い足枷を引き摺りつつ

 黒い陰を引き摺りながら

 女神たちから憎まれ

 愛に飢える者たちよ


 光(ひかり)は無い

 陽(ひ)も無い


 此処は無限の闇の中

 繰り返される

 果ての無い地獄


 もはや罪状など

 忘れてしまうほどの

 暗(あん)の世界


 おお!

 タルタロスよ

 永久地獄よ


 眠りたくとも

 決して許されず

 
 もはや朝夕もわからず

 くっきり残る痣の痕

 赤黒く黒ずんだ

 それを

 舐めては涙し

 舐めては涙し


 戻れぬ夢を思いつつ

 掠れた声で呻いては

 無限の地獄の中


 タルタロスよ

 タルタロスよ


 この者たちの罪を

 どうか救い給え


 この者たちの業を

 どうか赦し給え


 罪を負った者たちが

 行き着く場所(ところ)

 タルタロス


 未来永劫の罰を

 与えられる場所

 タルタロス


 まだまだ順番待ちは

 多く


 さてそろそろ・・・


 タルタロスが待っている


自由詩 無限地獄 Copyright 星月冬灯 2008-08-01 09:53:16
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