創書日和【音】 ラウド、ラウド、ラウド
大村 浩一

稲妻が光って轟きが来る
光った時もうその下では絶命してるんだ
じゃあ向こうから聞こえてくるのはいったい何なんだ
死んだ後に聞こえてくる音はどこから


電気の光が織り成す出来あいの世界で
出来の悪いおれたちがでっかい音を出す
割れるようないびつな調和のない
神経にさわる決して人を眠らせないような音だ


見えている身体 見えている身体
見えている踊る身体に向かって耳を澄ます
そこに特大PULSE FUSEが飛ぶのは当然
潰れる耳は当然
01の鼓膜の裂け目に鈴の音を錯覚する


稲妻が光って轟きが来る
電気が光っておれたちでっかい音を出す
割れるようないびつな調和のない
神経を溢れ出て眠らない眠らせない


音が左右の耳を追い越して彼方へ走っていく
音が生を追い越して彼方へ走っていく
おれたちが乗せようとした意味はこぼれてPULSEだけが届く
語れることはこれっぽっちだ
語れることってこれっぽっち
じゃあ死の向こうから聞こえてくるのはいったい何


2008/7/31
大村浩一

※註 「ラウド、ラウド、ラウド」…イシダユーリさんの
   詩作品中のこの文節を、タイトルへ部分引用しました。


自由詩 創書日和【音】 ラウド、ラウド、ラウド Copyright 大村 浩一 2008-07-31 21:05:10
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