おどる宝石
千波 一也



散らばりながら 宝石は

その名を きれいに 
縁取って

なお美しく
ひとの手を とる



散らばって ゆく
こころのそとで

おどりはいつも
鮮やか だ



手 を逃げるのも

手に 逃げる
のも

巧みな飾りに 値する



それら、

あまりに自由な
ほこりの ほのおに
魅せられて

あお られるのは
星座のかたり



散らばりながら 宝石は

傷つくための
傷から 離れる

ただ美しく
ひとの手を とり








自由詩 おどる宝石 Copyright 千波 一也 2008-07-29 13:45:59
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