あなたと警笛
因子
わたしの名前は声に出すと
窓の外からきこえるクラクションにそっくりで
誰かが警笛を鳴らす度
「はぁい」
私は返事をする
先生どうしてママはごはんはいらないというと叩くのですか
いらないなら
ごはんを与えなければいい
醜いなら
視界に入れなければいい
いらないなら、私がいらないなら、デパートの屋上で、
空を見る振りをして、
ショーに夢中になっている振りをする私の、
握った手を離せばいい、
たったそれだけでいい
クラクションがきこえる
私はもう誰もしらないことばでしゃべって
どこへもいかない
自由詩
あなたと警笛
Copyright
因子
2008-07-28 02:56:11