七月の雨の光
beebee



ぼくは所在なく佇む
夜が好きだ
そんなとき
梅雨の終わりの
雨が降っているのもいい

屋根を打つ雨の音
軒を伝う流れの音
樋を落ちる水の音
そればかりじゃない
夜にはまだ何かがある

凝視めるぼくと
見返す鏡の中のぼく
反射する蛍光灯の白い光
窓に部屋の壁が白く映っている
それを貫いて白く
電信柱が腕を伸ばす

七月の夜は不思議に透明で
羽虫の羽音が夢を打つ
コバルト色の色硝子に
白いスプレーペイント
刷毛降ろした銀の糸が
夏の雨か


自由詩 七月の雨の光 Copyright beebee 2008-07-23 00:34:04
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純情詩集