Eastern stamp
木屋 亞万


蝶は虚構の中で
自在に飛び回り
隙を狙い天国に
紛れ込んでいく


根の支配する地底
ないまぜの死体が
植物に甘い粘液を
いくつも咲かせる


夏の風に膨らむ帆
高すぎるマストで
三角の大きな翼が
東風を探している


硝子の破片の中で
ダイヤもただの粒
磨き上げた原石も
輝いて、それから


流星群は光る
へびの大移動
夜から夜へと
星霧を移って
探しあぐねる
願いを秘めて
もの思う視線



自由詩 Eastern stamp Copyright 木屋 亞万 2008-07-12 23:49:02
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