闇の漣
一般詩人-


(ビジョン)

とろりとした闇をたたえた海が
凪いでいる

闇の海水を掬い取ると
両手の中に煌く


海と同じ色のやわらかい髪に
冷たいコバルト色の金属糸が結び付けられ
さらさらと鳴る


祭儀の馬が
石畳の上に
硬い足音を鳴らす

深く

深く

足音は石畳にしみこむ


無人のすずなりが
闇の漣を祀る


自由詩 闇の漣 Copyright 一般詩人- 2008-07-08 01:14:23
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