コレクション
かいぶつ

まず盗んだのは
鎖骨だった

あなたは、まだ知らない
わたしに盗癖と
収集癖があることを

愛になんて興味はないの
わたしの目的は
あなたの、骨

わたしはあなたの骨を
そっと、ひき抜く
わたしの乳房にかまけている
その淫らな隙に

あなたに抱かれるたび
数をふやしてゆく
わたしの所蔵品

わたしを抱くたびに
ひとつずつ消えてゆく
あなたの整然たる、骨

けれど、いったいどこに
骨が隠されているの?
あなたの、その熱い部分には

あなたの体のことなど
もう知りつくしているはずなのに
わたしのコレクションは
未完のままだ

明け方、わたしは下着も付けずに
汗の乾いたシーツの上で
最後の骨を探している

このままじゃ
わたし、骨より先に
愛を見つけてしまいそうだよ



自由詩 コレクション Copyright かいぶつ 2008-07-03 01:34:38
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