生乾き
小川 葉

生きたまま
乾いてる
かさぶたをはがすと
地下鉄は走り
首都圏は湿りながら
鼓動を返す

洗濯機が
すこししずつ
ホームに近づく
近づくものを
選択して脱水する

そこで血はながれ
乾いたら濡らすだけの宿命を
生乾きのまま
腕でぬぐう


自由詩 生乾き Copyright 小川 葉 2008-07-03 01:05:24
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