生と死
知恵

ある少女は微笑みながらこう言った

「私は中途半端に死にたい死にたいと言って、リストカットをするアナタ達とは違うのよ」

そう言い残して らんらんと 足取り軽く階段を駆け上り 屋上へ行った

彼女は屋上のフェンスを飛び越え 最後に一言言い放った

「私が逝くのは、死にたいからじゃない。生きたいの。私らしく生きたいの。私が私らしく“生きる”ということは、今現在を終わらせるということよ。」

そう言い残して彼女は去った

誰一人として彼女の心の奥底は理解できなかったが ただ一つの真実は


微笑んで 周りを見下していたあの少女はもういない


ただそれだけだった


一つの命が消えた時、少女の周りの、いくつかの心はじくじくと痛みを感じていたけれど。


自由詩 生と死 Copyright 知恵 2008-06-23 01:30:11
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