街角の貴方
黒子 恭

 
ブルースがうたわれた街角で
夜の真ん中あたりで
さみしい人がさみしいと言う
足音は皆、孤独で
渇いた風に乗る
 
渋谷の路上で猫が轢かれて
同じような誰かが
弔いとは何か、問う
フラストレイシヨン、
六月は容赦なく飲み込んで
何もかも、何もかも
 
***
 
魂がそこに在って
孤独が包んで、独り
貴方はどこを切りつけますか
死なない程度に
 
欠片を拾い集めて
人が出来た気がする
僕達は脆い
どこに向かったって、
僕達は脆い
酷く冷めた路上で
 
 
街角で貴方は
誰かの「イエス」を待ちわびている
風が吹き抜ける
夜が長い
 


自由詩 街角の貴方 Copyright 黒子 恭 2008-06-20 06:00:21
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