古い皮質のところの日記
clef
水が
ぬるくなってしまう前に
しなければいけないことがあった
天頂から地平にかかる天蓋の
弧の延長線のところには 辿りつけないまま
目蓋の裏のカーブばかりを見ている
自分が 足りなくって
しようがないので 水は ねている間に
ぬるんでしまうことにして
硬くならないうちに 手放してしまおう
微かにふれた ゆびさきから 走ってゆく
隠しておきたかった兆し
それとも
隠さなければならない徴の
怖さを感じる前に
旋回しながら 濃くなってゆく
眠りの闇に落ちてしまう
目覚めたとき
逃してはいけなかった
凹みを
覗いていた