古い皮質のところの日記
clef

水が 
ぬるくなってしまう前に
しなければいけないことがあった

天頂から地平にかかる天蓋の
弧の延長線のところには 辿りつけないまま
目蓋の裏のカーブばかりを見ている

自分が 足りなくって 
しようがないので 水は ねている間に 
ぬるんでしまうことにして
硬くならないうちに 手放してしまおう

微かにふれた ゆびさきから 走ってゆく
隠しておきたかった兆し 
それとも 
隠さなければならないしるし
怖さを感じる前に 
旋回しながら 濃くなってゆく
眠りの闇に落ちてしまう

目覚めたとき

逃してはいけなかった
凹みを
覗いていた




自由詩 古い皮質のところの日記 Copyright clef 2008-05-30 21:13:13
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