禁じられた花
kauzak

あなたは花が好きなだけだった
大輪の花が咲くポピーと信じていた

それだけだった

けしの花
禁じられた花

大地に根を張るけしの力強さ
足に力を込め手応えを感じながら
何本も何本も抜いていく

それが僕のいまの仕事


作業を見守っていたあなたが
涙ぐんでいるように見えたのは

手塩に育てた花を無惨に抜かれた
ポピーと信じていた花に裏切られた
その悔しさが滲み出たように見えたからか

そのどちらにしてもやりきれなくて

バンに積み込まれたけしの花
青臭い匂いが今日は重い


自由詩 禁じられた花 Copyright kauzak 2008-05-22 01:53:17
notebook Home 戻る