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草野春心
白い砂漠にきみが一人立っていて
目の前には無数の一人が立っていて
言葉も無くきみを問いつめる
詩人らしき男がきみの昨日を責め
破れたジーンズがきみの怠惰を責める
ハートのプリントがきみの明日を疑い
中国の子どもたちは?
そう、黙っているだけ
きみは目を閉じることを許されず
思考が反射的に変換作業を行い
彼らをただの「1」と扱うのだが
存在そのものが時に暴力になることに
きみはもっと早く気づくべきだったのだ
ところは変わって休日の池袋東口
雨のように人は降りつづけ
きみはきみはきみはきみはきみは……
きみは傘を差すだろう