ブラックなものだって飲み干せる
藤原有絵

優しくてまるいものと

強く冷酷であるものを


全く違う世界をちゃんと作った
全く違う人がつくったものを

何かの拍子に
同時に
僕が
欲したら


失礼だ

と、誰か言うのかな



でも、僕はそれらを混ぜない


頭の中にはアイアンの籠が
横並びにずらずらあって

僕の中に入った瞬間


色を分けるように

僕は分類する事が大好きなので
たぶん色なら調和の法則を守るな


あいうえおじゅんでも
考えなくてもできるし



とにかく

そのように
分け隔てて取込みますから

洗濯物を等しく愛する気持ちに似ているので


どうか
許してください



靴ひもがいつも
左だけ解けるように

アシンメトリー

少なくとも
二つ以上の要素を
僕は持って生きている



口の中で
コーヒーと粗目の砂糖を
分ける事を始めたら


その時は
迷わず
キビシく
僕を叱ってください



ブラックなものを飲み干せると
少し浮ついた僕の事を








自由詩 ブラックなものだって飲み干せる Copyright 藤原有絵 2008-05-18 01:27:20
notebook Home