転じて歩測
黒川排除 (oldsoup)

雨を待つえぐれた頬塀から突き出し

銀河身の投げようもないほど暗い

影ひろい大木おもう紙のこと

大円盤の片鱗星座と触れ合い光る

裾千里ほども隔たるぼくとほか

ずっと昼ハの字アンテナ直下の学校

致死量のストローストライプとぶつかる

秤が傾き着く道くらきランタンの取っ手

右に左に月 正面の詩人も月

岸は二つ地球の裏で出会うため

砂を開く手がついにこの身に及ぶ

鉄板欠けた箇所の空虚に住むと窓

歌は悲しいどこまでも響きわたるから

瞼で閉じてみる炭化したピラミッド

実体がない街の反映に畦

河で洗う遺言もとはある階の粉

足首埋めた砂漠次の一歩は大きいぞ

石積んだ柱しがない足の霊

土煙もうもうと毟る祖母隠す

騒ぐ賢者の金切り声国境の禊ぎ


川柳 転じて歩測 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2008-05-07 13:22:44
notebook Home 戻る  過去 未来