シャングリラ
AKiHiCo

音のない世界に堕とされた
何も響かなくて消えてゆく灯火
どこに在るのだろう
私の声
指の間を滑る空気が冷たい

捕まえられない糸が
後ろへ虚空にまみれて
闇の中に筋となって
消えて見えなく
なる

此処は暗すぎるから
何も見えない
感覚が歪んでしまって
もう全て判らない

届かない声は
何処かで弾ける
それを受け止めきれず
項垂れて涙

望み続けた世界は
何もなく只管
僕が在るだけだった


自由詩 シャングリラ Copyright AKiHiCo 2008-05-05 16:43:23
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