本能
大覚アキラ

あきれるほどの
真っ直ぐさで
ちょうだい
なりふりかまわずに
その身体ごと
ぜんぶ
咥えられたままで
ただじっとしている
情けなさも
情けないよって
口にしてみれば
なんとなく
それだけで
許されたような気がする
伏し目がちの
免罪符
ほらね
生かされている
恥知らずなほどに
いかされている
飛んでゆく
この傍若無人な
いのちの欠片ども
丸ごとの
素っ裸で
知らん顔して
遣り過ごす
穴が
あったら
何度でも
突っ込みたいでしょう
明日という日が
あるならば
もう一度
会いたいでしょう
それこそが
本能ってやつでしょう
ねえ


自由詩 本能 Copyright 大覚アキラ 2008-04-30 19:37:41
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