しょうがないさ
よーかん

ボクの今が、
うすまるのは、
あるがままをなくしてしまったから。

それに、

うすまっていく自分を見てしまうのは、
つらすぎるから。

浸れる映像を探しに毎晩リモコンを押しつづけるのも、
選曲どおりの居場所に乗ってアスファルトを旅するのも。

気付きたくないから。

うすまったのは、
あるがままを忘れた大人たちに教えられたから。

素肌を鏡に写すのも耐えられなくなるまで、
洗脳された母親達に

しつけられたから。

肩書き以外の会話をしようとしても、
何も思い出せない男達に

しかられたから。

ボクらはアレンジされた
自分の姿を抵抗もなく受け入れて、

袋詰めの食べ物と、缶に入った飲み物を
言葉に出来ない何かに詰め込みつづけてしまう。

うすまったのは
気付けないから。

街はどこまでも看板だらけで、
大人は錆びをペンキでごまかす。

すべてを形だけ違う商品で埋め尽くしてしまえば、
いつか満たされるはずと
まだ信じているようだけれど、

ボクらはとっくの昔に飽きているのに、

飽きている自分にまだ、
もうちょっと、

気付きたくないから。

もう、
あるがままを
生きれないと思っているから。

あるがままから逃げ続ける
大人たちから
子供たちへと、

うすまり続ける風景が、

子供達からその子供達へと、
受け続けつがれていくのを、

しょうがないさと、

ボクらが
あきらめているから。

いつまでも、
他人のせいにしているから。











自由詩 しょうがないさ Copyright よーかん 2008-04-20 22:07:16
notebook Home 戻る  過去 未来