開く扉
ゆきのかけら(翡翠)

何者にも代えられないもの
はじめて知った気持ち
ざわめく事ばかり
変化を求めてばかりいた
そんな僕に

平凡という退屈な束縛すら
愛しく思えるように
離したくないと縋る迄に
変えてしまった
そんな君

何の魔法もありはしない

そんなの
信じられないくらいに
デジタル化し
夢を排除した
規律まみれの
この世界で

けれど
魔法としか言い難い
夢と見紛うような
君の言葉の羅列
溶け、染み込む体温
何時もの様に
静かに巡る血液にすら
気付かない位に
振り切れた衝撃

きっと心も
もうロックを外し始めて
畏怖しながらも
君からの思念と
君と生きる試煉の
濁流を待っている

(これが)
始まりでも
終わりでも
考えただけで
身震いさえするよ


青く冷たい海の中へ
何も持たずに
飛び込むように
白く白く続く大地を
自らが想う方へ
進むように

僕が君に感じた衝動
君と共鳴するなら


もし
これが始まりなら
僕と共に行こう
青く冷たい海の中へ
真っ白で宛てもない大地へ
可も不可をも繋ぎ合わせ
その先を
作り続ければいい

もし
これが終わりでも
ロックを解除した心
止められはしない
きっと
振り切れたままだから
手を繋いでいこう

これが始まりでも…
これが終わりでも…


自由詩 開く扉 Copyright ゆきのかけら(翡翠) 2008-04-19 22:01:39
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