白樺陵辱
三州生桑

春霞たなびく青山(せいざん)の林の中で
猛然と一本の白樺を犯してをりますと
感極まった白樺は、小枝を私の左目に突き立てまして
・・・男冥利に尽きます

その時に孕ませた双子のうち
一人は聖火ランナーとなり、世界中の薬剤師を敵に回し
もう一人は薄青いくらげでして、全盲の水族館職員と駆け落ちしました


あの白樺は立ち枯れたさうです
最期まで私の左目を気にしてゐたさうですよ




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自由詩 白樺陵辱 Copyright 三州生桑 2008-04-17 18:54:49
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