望みなき恋
COCO

いつか 私は夜で

星の鼓動を抱いては太陽を想った

いつか 私は昼で

鳥の歌声を聴いては月を想った


いま 昼と夜は交わり黄昏になる


見上げれば見覚えのあるアゲハチョウが

月と太陽が顔を合わせたこの空を華麗に舞い踊る

奏でる音色はまるで

黄昏を溶かした海のようで

あまりに果てしなく

あまりに綺麗で

私は涙さえ忘れ


気がつけばうわの空で

いつの間にか持ちきれないほどになった

あなたにあげる言の葉を

この海にゆっくり

ゆっくり流していた



私の胸にはひっそりと

黄色いチューリップの花が咲いている

たった一輪ひっそりと


あなたがくれた

これは最後のプレゼント


自由詩 望みなき恋 Copyright COCO 2008-04-17 16:51:39
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