常夜灯
藤原有絵

共有はしないけれど
否定はしない

と、いうスタンスを
貫くが
そこに感情がないわけではない

眠るひとの
額に口をつけるとき

その日一日
足りなかった言葉を添える

それは朝がくる前に消えるのだが


150メートルの地下街を抜けて
夜に浸かった街に出る

家に帰ることは容易いよ
君に丁寧な嘘を刷り込むように
少し後ろ暗い

盲点の寸でで捉えた常夜灯
ゆっくり光が滲むわけを
僕はまた知らなくてはいけない




  


自由詩 常夜灯 Copyright 藤原有絵 2008-04-17 00:58:05
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