Reproduction
Tsu-Yo

真夏の海岸でのたれ死ぬ
そこから私の旅ははじまる


   *


毎日のように続く毎日の中で
呼吸をするのと同じくらい自然に
私の言葉は溢れ出てくる
笑顔のように涙のように
あるいは悲鳴のように


   *


私は嘘をつきました
という嘘をついた日が
確かにあった


   *




   *


目蓋の裏で太陽が揺れている
小さな蟹が足の上を歩いていく
産まれた日のことを
私は少しずつ思い出している


それで


   *


 「無線LANとかUSBとか
  そんな現代的な関係で
  あなたとは繋がっていたい気がします」

海辺の寂れた喫茶店にて
数時間まえに



   *


やっとここまで来た
まだここまでしか来ていない
目的地はない


   *


もはや私の中に言葉はない
呼吸をするのと同じくらい自然なことは
生きていくのと同じくらい難しい
波にさらわれていく自分を見捨てて
ゆっくりと歩きはじめる

そこから私の旅ははじまる


自由詩 Reproduction Copyright Tsu-Yo 2008-04-14 23:51:02
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