指詰め
Tsu-Yo

街を歩いてゆくのは
君が10年前に落とした指だ
かつて、君の右手の中で
もっとも小さな指だったそれが
今では、親や子などという
不条理な力関係から解き放たれ
何に属することもなく
ただ一本の指として
指らしく街を歩いてゆく


自由詩 指詰め Copyright Tsu-Yo 2008-04-08 19:32:27
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