ファンファーレ
黒川排除 (oldsoup)

篝火に最高齢の降霊祭

天秤の受け皿になぞられた跡

白昼に銅絡め取る蔦の息

膝の海部屋に広がり旅客立つ

口述の街は一個の倉庫黴びて

心臓漂う海岬見え低温の牢

もてなして帰すまでずっと砂だった

息切れが淡く塗られて城浮き出る

窪みに溜めた蔦で暮らす絡め取られながら

浮島流す上流に敵多し明滅

太陽連れて坂横切るスクラップの車

怒号響く鐘の中 本当の暗部まぐわう

トンネル進むごとに光る夏の雲の輪郭

花びら抱く女性に主砲から花びら

ラバーが通じない敵兵の体を去る

鳥を新鮮な卵に置き換え輝く家路

十二時は塔の形に欠けている

歩み寄る足何重もの蛸を傾げる

裏返しの蓋幻の上では無限

迷信探る手に杭が触れ聞く笛どこから


川柳 ファンファーレ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2008-04-08 03:50:49
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