美しい日
COCO

眠れぬ夜を越え辿り着く時

身からこぼれる無彩色な雫たち

こぼれるほどに身は透明になり

私はついに記憶を失う

この狭間の中で

行き着いたのは鏡の世界

映し出された情景に

子供の如く泣き叫び

震える拳を振りかざし

夢中で殴り続けていた

殴り疲れたころ鏡は

もう形を失い私と共に

虚しく床に散らばりつくす

それでも血まみれた腕は温かく

抱きながら私は歌う

小さく光るかけらには

笑う君が映るのに

私はもう

体温すらなくし

血と共に流れた熱は

目隠しをして彷徨っていた


気が付けば

あふれきった

無彩色な雫たちは

この眠らない街に沈く


君は透明な私を見つめ

手をとりそっと色付ける

彷徨う熱は空が包み

赤紫に輝いていた

それは美しく

君は美しく

全ては美しく

私はまた生きると言った


自由詩 美しい日 Copyright COCO 2008-04-08 00:42:24
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