いのちの洗濯 
服部 剛

糖尿持ちの母ちゃんが 
昔より疲れやすくなり
今迄ほったらかしていた 
使った皿や洗濯物を 
最近僕が洗いはじめた 

ベランダに出て
竿に作業着を干す 

日々の疲れに
湿った心を乾かすように 
青い空から陽はそそがれる 

部屋の奥から 
明日
小学校に入学する 
富山の孫に電話している 
親父の嬉しそうな 
声が聞こえる 


「 明日入学式だって?おめでとう。 」 

( かほねぇ、仲良しの友達と 
  会えなくなるから寂しいの。 )

「 また会えるよぉ、 
  新しい友達もできるよぉ。 」 


世界をすっぽり包む空の下  
あるがまんまの姿で佇み 
ベランダで頬杖をつく 

桜吹雪は舞い 
まっすぐに流れるどぶ川 
水面にきらきらと星が 








自由詩 いのちの洗濯  Copyright 服部 剛 2008-04-06 23:02:12
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