いつものように
k o u j i * i k e n a g a

ひじクッションの当たり所が悪く、曽祖父が死んだ。
だから僕の名前は今日からニックネームだ
曽祖父の遺体を三週間ぐらい置きっ放しにしたので追加料金が発生した。
だから曾祖母は諸事情により、とだけ書き残して実家に帰った。
僕がそれを知ったのは蒸し暑い午後のことで、僕はテーブルに麦茶をこぼした
妹はそれなら今日から私が、と言って曾祖母になった。
父はすべての成り行きをラードを吸いながら眺めている
それから僕の苦手な科目は理科だということも曽祖父にはお見通しで、
彼はカンニングの天才だったそうだ。僕は彼の血をひいている。
網膜の裏側に書いておけば、愚鈍な教師たちには見つからない。
ちなみに僕の網膜のデザインはドルチェアンドガッバァーナだ。1998年春夏コレクション
いつものように曾祖母の脱皮の季節になった、
今年は曾祖母になった妹が脱皮するのだろうか、いつものように、いつものように、
運動部の連中を一網打尽にする計画。まずはピッチャーマウンドに地雷を仕掛けた。第一歩。栄光への。いつものように
父はラードを吸いながら墓を掘る、脱皮に失敗した元妹の墓を、現曾祖母の墓を
俺はテニスコートに張ったピアノ線を確かめる、俺は墓など掘らない、俺はラードなど吸わない、俺は栄光へ、一網打尽、あの苦虫の腐った味のするやつらを、俺はそれで栄光
曽祖父の遺体はそれからも置きっ放しで追加料金は増え続ける。そんなことがあっていいのでしょうか皆さん!
僕は麦茶をこぼしたテーブルを拭く 妹の首筋に汗が流れる 流れている あれは僕だ 俺が汗粒になっていま蒸発しようとしていたら親父のラードまみれの指がやってきてぼくをぬぐってしまいましたよ
いつものようにひいおばあちゃんになぐさめてほしいー だけどほねがちょっとみえてるー
曽祖父が死んだ日、僕は校内模試で学内トップの成績だった。曽祖父はカンニングの天才だったが俺は俺の天才だから俺は曽祖父のふりをして父を叱ってやるひひひ
今朝もカーテンのすき間から日光が射し込んで一日のはじまりです。
ラードまみれの手で父は墓を掘る、自爆とピアノ線と魚雷と毒ガスと皮むき器でバラバラになった僕のからだは墓じゃなくて穴がお似合いですよ父さん!どうせこのあとどうせあなたはどうせ麦茶を飲むのでしょう?あの夏の味がする飲みものを!
いいなあ、それはいいなあ


自由詩 いつものように Copyright k o u j i * i k e n a g a 2004-07-05 02:18:51
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