桜/to the sea
プテラノドン

山の上から若い霧が
街におりてくる
(それは若さ特有のかたまりとなって)
涙、汗、いや、
朝露
歩道橋の手すりは濡れて、
神社の境内のベンチも、通勤前の車も
新鮮さそのものとなって
工場の煙突だけは健在で、
年寄りな煙を吐き続け
(それは云うまでもなく苦い)
行く道を失った鳥は、またの機会と、
池のそばで、水溜まりをー浮かんだ
花びらよりも、山の中に点々と咲く
桜こそが美しいと、慰めになると、
たしかに僕は思っていたが、
それでも、突然僕は思ったのだ。
ーこれから海に行こうと。
それというのも、
さっきオービスに写真を撮られたせい!
まったく変わりようのない
その事実。いや、でもー
(写真を見たら分かるはず)


自由詩 桜/to the sea Copyright プテラノドン 2008-04-03 00:45:32
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