雲のような君、籠から飛び出したあの日。
ゆきのかけら(翡翠)

君の頬に太陽色の幸せを
沢山沢山詰め込んで
運んであげよう

愛しい愛しい君

君の空に高く届くよう
まっすぐにまっすぐに育てと
種を埋めよう

この想いの全てを託して

雲のように真っ白な
君の姿
温かな生命を詰め込んで
広い広い世界に飛び出す

そう君は
このちっぽけなこころの僕より
無心のように全てに挑む
それが
たとえ自分より大きく
恐ろしい程に広い世界でも

―自分の想うままに
 素直に
 君の場所を作り出す
 創造者―

そんな君を見て
籠にはまりきっていた僕は
端から無理なことだと
決めつけていたんだから

僕はどれだけ
この籠の中に
失望と
諦念を
抱いてきたのだろうね

…愛しい愛しい君

君は君のまま
この籠よりも
広い広い世界に
行ってしまったから…

君の空に高く届くよう
まっすぐにまっすぐに育てと
この種を埋めるよ

…君にきっと心伝わるように

もう伝わらない体温を
少しでも伝えるように
その頬を優しく撫でるよ

…もう苦しむことがないように

君に
降り注ぐほどに優しい
太陽色の幸せを…


自由詩 雲のような君、籠から飛び出したあの日。 Copyright ゆきのかけら(翡翠) 2008-04-01 00:26:42
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