この童話的世界
因子
あなたの童話的世界
森があってお城があって
わたしがいてあなたがいて
自然とこぼれる微笑み
わたしの童話的世界
壁の目がひらき地面の口がひらき
のみ込まれてゆくうつくしいものたち
自然とこぼれる微笑み
あたしの人形の目は焼かれて
大きな あな になってしまった
さあ何に使う?
からっぽの眼窩で上目遣い
わたしの一番綺麗なところがほしいあなた
あなたの一番汚らしいところがほしいわたし
あなたの一番浅ましいところを
あなたの一番おぞましいところを
あなたの一番いやらしいところを
わたしに頂戴な、
わたしの一番綺麗なところは
とうに焼いてしまったよほら
さあ何に使う?
からっぽの眼窩で上目遣い