十二歳の死
宇宿一成

死んでお詫びをします
そういって飛び降りた
卒業式で
大好きな学校、というべきところを
大嫌いな学校、といったのだ
責められても
大好きな、とはいえなかった
心を伏せて好きということができなかった
12歳はいったい誰に
お詫びをしなくてはならなかったのだろう

そんな記事を片隅に載せて
新聞紙が強風であおられ
駐車場のフェンスにはりついていた

学校が嫌いだという言葉が
死で償われたとしたら
その死を贖うものは
いったい何だろうか


自由詩 十二歳の死 Copyright 宇宿一成 2008-03-28 10:04:24
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